平成の最後に
4月30日は平成の大晦日なんだそうで、いよいよ令和が始まります。
祖父は明治・大正・昭和、父は大正・昭和・平成と過ごしてきたのに続き、私も昭和・平成・令和と3つ元号の中で生きていくことに多少なりの感慨があります。
昭和50年代に製造業の隅に身を置くことになり、当時は機械彫刻と定規の製造が仕事のメインでしたが、今の状況を考えると平成の時代に仕事の内容が大きく様変わりしました。
設備にしても、昭和時代は、昇降盤・フライス盤・目盛彫刻機と汎用彫刻機が主体でしたが、
現在ではパネルソー・鏡面加工機・NC彫刻機・レーザー彫刻機にインクジェットプリンターと、ある意味では劇的に変化してきました。
加工にしても、かつては青焼き図面を基に昇降盤で板を切り、汎用フライスで切削し、
目盛機(半自動)で目盛を刻み汎用彫刻機で数字を彫刻するといった、ほぼ人間の手作業によるものばかりでしたが、今ではメールでデータを受け取り、CADによってNCが動き、イラストレータなどを駆使してレーザー彫刻やインクジェットプリントする等々、振り返ってみればずいぶんとデジタル化したものだと思います。
とは言え、昇降盤や汎用彫刻機は今も健在で、バフ研磨に至っては昔も今も変わっていません。工程的には人の手による作業は減ったところもありますが、自動化やデジタル化できないものは多くあります。
3Dプリンターが普及し多くの方々にその存在が知られるようになり、データさえあれば「モノ」がすぐにできるようなイメージを持たれる方も多いような気がしますが、少なくとも私共の仕事では、人の五感によって作られていくことの方が多いのです。
(味覚と嗅覚はそんなに使いませんが…笑)
IoTなどによって今後も製造業は劇的に変化していく可能性は十分にあると思いますが、
私的には人の五感によるものづくりの大切さといったものが令和になっても受け継がれていかれるよう、切に願っています。
そんな希望をもって、令和に改元されてすぐにカンボジアシェムリアップに向かいます。
4台の汎用彫刻機で、どのような継承ができるのかを考えつつ‥