【ハローキャリアワークDay2・3開催レポート】子どもたちと一緒に、アクリル板再利用の商品開発(2024年11月、12月)

こんにちは。友成工芸です。

コロナ禍が収束し、使わなくなったアクリル衝立を使ったワークショップを子ども向けに行いたいと、2023年の当初より世田谷区に向けて提案をしてきましたが、世田谷区教育委員会が提供している「ハローキャリアワーク」のプログラムとして、2024年11月16日に第1回目が実現しました。

その後、「ハローキャリアワーク」のプログラムとして第2回、第3回を開催しました。

今回は、世田谷区教育委員会主催「ハローキャリアワーク」Day2・3開催レポート(2024年11月24日、12月14日)の様子をブログ記事にまとめてみました。

実際の「ハローキャリアワーク」の様子、当日の写真、所感もあわせて記載しております。よろしければご覧下さい。

世田谷区教育委員会が主催するハローキャリアワークとは

「ハローキャリアワーク」は、世田谷区教育委員会が企業などと連携して実施する、小・中学生を対象とした仕事体験型の講座です。参加者は、企業の活動を知るだけでなく、実際の職場を訪れて体験し、さらに企業が抱える課題に対して自分たちのアイデアを提案するプログラムに取り組みます。子どもたちは興味のある業種やテーマを選び、学びを深めながら、自分の将来やキャリアについて考える貴重な機会を得られることを目的としています。

友成工芸での「ハローキャリアワーク」の概要

友成工芸の「ハローキャリアワーク」のプログラムの概要は下記の通りで、抽選によって選ばれた5名の子どもたちが当日集まりました。

今回は加工作業をしてもらうので、小学校5年生から中学3年生に募集の年齢を区切らせていただきました。集まったこどもたちも小学校5年生から中学3年生で男子2名と女子3名となりました。課題は、使わなくなったアクリルの衝立をどう活用するか?アイデアを出してくださいというもので、3回開催です。

世田谷区教育委員会が主催するハローキャリアワークの概要

日程
・2024年11月16日(土) 9時〜12時
・2024年11月24日(日) 9時〜12時
・2024年12月14日(土) 14時〜17時

会場
・株式会社友成工芸(世田谷区池尻4-26-7)

対象
・区内在住または在学の小学5年生~中学3年生

料金
・無料

(引用:ハローキャリアワーク「コロナ禍で使用した『アクリル板』をアップサイクルして、素敵な製品を作りませんか?」 | 世田谷区公式ホームページ)

初日の当日の様子を動画で収録しましたので、下記の動画も合わせてご確認ください。

アクリル衝立を再利用する仕組みと再利用の必要性を考える機会の創出

2023年5月以降、役目を終えた飛沫防止用のアクリル衝立は全国で600万枚(弊社調べ)ともいわれ、大量廃棄に伴う環境負荷の増加が懸念されてきました。しかし、アクリル衝立があふれる時代がなかったため、その9割ちかくは破棄を余儀なくされました(弊社調べ)。

アクリル板は十分な量を確保できれば資源物としてリサイクルできるため、回収されたものはキーホルダーやアクセサリーなどに生まれ変わったケースが見受けられます。2024年には大手企業主導で、アクリル板のアップサイクルへの取り組み、アクリル板の再利用から商品開発の仕組みづくりが始まっています。

今回のワークショップでは、時代の流れや再利用の重要性といった背景を、子どもたちにも分かりやすく伝えることで、「自分ごと」として捉え、主体的に考えるきっかけとなることを目指しています。

【友成工芸×ハローキャリアワークDay2 開催レポート】アクリルの衝立の加工方法(2024年11月24日)

ハローキャリアワークの二日目では、デザイナーの関悠美氏と子どもの教室を開催しているASOMANABOの代表大澤麻衣氏の2名が講師として参加しました。また、J:COM(ジェイコム)の取材もあり、子どもたちが活発にインタビューに答える場面も見られました。

ハローキャリアワーク2-1

最初に、関先生がこれまでのご自身のデザイナー、アーティストとしての経験を踏まえ、作品や制作プロセスに具体的に今まで制作したものを見せながら紹介しました。その中で今回の友成工芸からの要求について下記の通り説明しました。

小学校低学年向けの工作キットの開発におけるポイント

  • ターゲット:低学年向け工作キット
  • 予算:販売価格が約3,000円
  • 加工方法:加工は友成工芸で行う

最初に子どもたちは、自分のアイデアを紙にまとめる作業に取り組みました。一部の子どもたちはすぐにアイデアを形にし始めましたが、半数の子どもたちは考えがまとまらずに苦労していました。今回は、デザイン、企画のための時間だったので皆さんにiPadを持ってきていただきましたが、それを使う人、あまり使い慣れていない人とさまざまでした。

関先生は子どもたちの様子を見ながら彼らに具体的なアドバイスを提供し、実際の商品を見せながら、最初は真似からのアプローチも示して子どもがイメージできるように導いていました。プレゼンテーションの時間は、子どもたちからそれぞれのアイデアが発表され、スマホスタンドやオブジェ、ペンケースなど、様々なアイデアが出されました。

ハローキャリアワーク2-2

その中ですぐにデータ化できる作品「月と猫をモチーフにしたキーホルダー」を選定し、そのデザインをレーザーカッターで形にし、デザインが物になる流れを見てもらい2回目は終了になりました。2回目は企業から要望を頭に置いて、自分がデザイナーとなり、アクリル衝立の廃棄板でどんな物を作るかを自分で考えて、手を動かして何を作りたいか目に見えるようにし、発表するまでを行いました。

次回の12月14日の最終日では具体的な製品とするために、関先生が子どもたちのアイデアと想像力が詰まった絵をデータ化してきてもらうことになり、まだ途中段階の子どもは、それまでにまとめることが宿題になりました。

【友成工芸×ハローキャリアワークDay3 開催レポート】アクリルの衝立の加工方法(2024年12月14日)

12月14日(土曜日)、友成工芸での3回目(最終回)のワークショップが開催されました。今回は、前回子どもたちが考えた製品の企画や設計図を基に、デザイナーの関氏が商品としてふさわしくなるように修正を加え、友成工芸の技術を活用して作品の完成を目指しました。

始めにデザイナーの関氏が今日の進行を説明し、子どもたちはグループ分けされ、それぞれの試作品作りを行うことになりました。試作品の種類は、「キーホルダー」、「パズル」、「オブジェ」、「スマホスタンド」の4つで、関氏が「キーホルダー」担当、友成工芸の工場責任者友成哲郎氏が「パズル」と「オブジェ」を担当し、友成工芸の職人である大知里氏が「スマホスタンド」を担当しました。

試作品作りは、まず図案をパソコンに読み込み、それぞれのアイデアをデータにする作業から始まりました。「パズル」はレーザー加工機で図案をアクリル板に写し、その後、パズルピースにカットされます。子どもたちからは「もっと深く掘り込みを入れて絵を仕上げたい」、などのかなり突っ込んだ要望があり、それに応じて再三修正が行われました。

ハローキャリアワーク3-1

「オブジェ」は、すでにデータを作っていたのでまずは、切り抜いたアクリル板を組み立てる作業からスタートしました。不具合が出ることにサイズ調整のために再度図案データを調整し取り込み、切り抜きの位置を変更して作業を進めました。

ハローキャリアワーク3-2

「キーホルダー」は、関氏から「円形より楕円形にした方が良い」というアドバイスを受けて、形を修正し、金具を取り付けるための穴を開ける作業が行われました。

ハローキャリアワーク3-3

そして、最も難しいとされていた「スマホスタンド」制作は、職人の大知里氏と子どもたちが協力し、スマホが倒れないようにアクリル板を削り、支えを接着で加えることで手作業での試行錯誤が続けられました。最終的に、スマホを横置き、縦置きしても安定するスタンドが完成しました。倒れなかったことを検証できた瞬間の子どもと大知里氏の喜びの表情は最高に輝いていました。

作業が進む中で、子どもたちは各自の作品を丁寧に仕上げていきました。キーホルダーを作っていた子どもは、細かい図案を仕上げるためにマスキングテープを丁寧につけ、取り外し、時間をかけて仕上げました。すべての作品が完成し、最後にそれぞれが自分の作品を発表し終了しました。

最後に工場責任者の友成氏と職人の大知里氏より「モノづくり」を通じて感じた思いなどは、今後大人になる過程で忘れないでほしいとのメッセージが伝えられ、関先生からは「アップサイクル」することで、価値のないものから、あるものに変えるデザインの重要性も大きな学びとして記憶してくださいとの言葉が送られました。

これから3回のハローキャリアワークで制作した子どもたちの作品を基に、「子ども向け工作キット」を完成させます。 完成しましたら、改めてブログでお伝えいたします。ハローキャリアワークに参加してくださった子どもたちが手と頭を使って試行錯誤を重ねながら製品を完成させたことはとても楽しい経験だったようです。

3回目でやっとそれぞれの個性が見えてきて、もっと時間をかけると、さらに子どもたちの可能性が見えるのではと思いました。子どもたちそれぞれの内に秘めた想像力の幅が我々大人たちの予想を超えていましたので、場を提供するこちらにとっても大変学びとなったハローキャリアワークでした。

最後に

今回は、世田谷区教育委員会主催「ハローキャリアワーク」Day2・3開催レポート(2024年11月24日、12月14日)の様子をブログ記事にまとめてみました。

これから3回のハローキャリアワークで制作した子どもたちの作品を基に、「子ども向け工作キット」を完成させます。 
完成しましたら、改めてブログでお伝えいたします。こちらにとっても大変学びとなったハローキャリアワークでした。

株式会社友成工芸ではワークショップを不定期に開催します。携帯にある画像をアクリルの厚い板に印刷するfotoryl(フォトリル)を作るワークショップを開催します。開催日時が確定すれば、HPで告知しますのでぜひご参加くださいませ。

また、弊社では、「もらって嬉しい」「飾っておきたい」美しく高級感のある『オリジナルアクリルトロフィー』を製造しております。遠慮なくお気軽にお問い合わせください。

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