こんにちは。友成工芸です。
コロナ禍が終息し、使わなくなったアクリル衝立を使ったワークショップを子ども向けに行いたいと、2023年の当初より世田谷区に向けて提案をしてきましたが、世田谷区教育委員会が提供している「ハローキャリアワーク」のプログラムとして、2024年11月16日に第1回目が実現しました。
今回は、世田谷区教育委員会主催「ハローキャリアワーク」Day1開催レポート(2024年11月16日)の様子をブログ記事にまとめてみました。
実際の「ハローキャリアワーク」Day1の様子、当日の動画、所感もあわせて記載しております。よろしければご覧下さい。
アクリルの切断、研磨、曲げ、彫刻など普段の生活ではなかなか触れることのない体験に真剣に取り組む子供たちの姿を見ることができました。中小企業を取り巻く環境が厳しくなる中で、一生懸命取り組む姿に勇気づけられ、励まされます!
過去のワークショップはこちら
目次
世田谷区教育委員会が主催するハローキャリアワークとは
「ハローキャリアワーク」は、世田谷区教育委員会が企業などと連携して実施する、小・中学生を対象とした仕事体験型の講座です。参加者は、企業の活動を知るだけでなく、実際の職場を訪れて体験し、さらに企業が抱える課題に対して自分たちのアイデアを提案するプログラムに取り組みます。子どもたちは興味のある業種やテーマを選び、学びを深めながら、自分の将来やキャリアについて考える貴重な機会を得られることを目的としています。
友成工芸での「ハローキャリアワーク」の概要
友成工芸の「ハローキャリアワーク」のプログラムの概要は下記の通りで、募集を2024年9月初旬から始めたところ、うれしいことに募集枠 5名を超える応募があり、抽選によって選ばれた5名の子どもたちが当日集まりました。
今回は加工作業をしてもらうので、小学校5年生から中学3年生に募集の年齢を区切らせていただきました。集まったこどもたちも小学校5年生から中学3年生で男子2名と女子3名となりました。課題は、使わなくなったアクリルの衝立をどう活用するか?アイディアを出してくださいというもので11/16、11/24、12/14の3回開催です。
(引用:ハローキャリアワーク「コロナ禍で使用した『アクリル板』をアップサイクルして、素敵な製品を作りませんか?」 | 世田谷区公式ホームページ)
アクリル衝立を再利用する仕組みと再利用の必要性を考える機会の創出
2023年5月以降、役目を終えた飛沫防止用のアクリル衝立は全国で600万枚(弊社調べ)ともいわれ、大量廃棄に伴う環境負荷の増加が懸念されてきました。しかし、アクリル衝立があふれる時代がなかったため、その9割ちかくは破棄を余儀なくされました(弊社調べ)。
アクリル板は十分な量を確保できれば資源物としてリサイクルできるため、回収されたものはキーホルダーやアクセサリーなどに生まれ変わったケースが見受けられます。2024年には大手企業主導で、アクリル板のアップサイクルへの取り組み、アクリル板の再利用から商品開発の仕組みづくりが始まっています。
今回のワークショップでは、時代の流れや再利用の重要性といった背景を、子どもたちにも分かりやすく伝えることで、「自分ごと」として捉え、主体的に考えるきっかけとなることを目指しています。
【友成工芸×ハローキャリアワークDay1開催レポート】アクリルの衝立の加工方法(2024年11月16日)
初日1回目は、アクリルの衝立はどうやって作っているか加工方法を実際に見てもらいました。
アクリル透明3mm厚、1300mm×1100mmの板をパネルソーという大きな機械にセットして寸法を決めてカットし鏡面機にかけて、角(4か所)に丸みをつける機械加工を見学してもらいました。その後に、使わなくなったアクリル衝立から100mm×100mmの大きさにカットして鏡面機にかけた後に、バフ研磨と糸面取りといった手作業を5名に実際に体験してもらいました。
次に機械彫刻という作業を平面彫刻機というアナログの機械を使い体験してもらいました。「やってみたい人いますか?」と聞くと最初2名の子だけが手を上げたのですが、最終的には全員が経験しました。今回はアクリル枡にサークルの紋様の彫刻を彫ってもらいましたが、彫り忘れがない様に注意して彫刻することを職人さんから教えてもらいながら、皆さん真剣に機械を向き合っていました。この機械と技術は弊社がカンボジアで取り組んでいる技術教育でも実際に使われているものと同じですが、日本の子どもたちにも体験してもらいたいと考え、今回の加工体験に組み込みました。
次はレーザー彫刻機を使って機械彫刻と同じ柄の彫刻をし、データを変更することにより彫刻の深さを変えられることも経験しました。レーザー彫刻した溝に色を入れていく作業も行いました。早くできた子はアクリルの熱棒曲げや接着を職人さんと一緒に経験してもらいました。参加された各人の手作業のかかる時間や、こだわりを表現する時間が違うので、2グループに分かれてしまい、後のグループは時間の都合で残念ながら熱曲げや接着をできなかったのですが、3回目に体験してもう予定です。
曲げをやっていたチームは、弊社の職人より「アクリルの声を聞いて」と言われていましたが、一人の女子が「聞こえない」とボソッと言っているのが微笑ましかったです。
加工作業をしていると9時から12時(途中休憩含む)はあっという間に過ぎてしまい、30分オーバーでの終了となりました。最後の感想として、全員がアナログの彫刻機が面白かった!ということでした。自分達が体を動かして真剣に取り組む作業は、子どもたちの心を捉えるのだと思いました。
世田谷区教育委員会主催「ハローキャリアワークDay1」当日の様子
当日の様子を動画で収録しましたので、下記の動画も合わせてご確認ください。
世田谷区教育委員会主催「ハローキャリアワークDay1」の所感
アクリルの切断、研磨、曲げ、彫刻など普段の生活ではなかなか触れることのない体験に真剣に取り組む姿を見て、私たちがパワーをもらいました。
最後に
今回は、世田谷区教育委員会主催「ハローキャリアワーク」Day1開催レポート(2024年11月16日)の様子をブログ記事にまとめてみました。
次回Day2では、プロのデザイナーさんと一緒にiPadのアプリを使って、製品制作の第一歩を経験してもらいます。
株式会社友成工芸ではワークショップを不定期に開催します。携帯にある画像をアクリルの厚い板に印刷するfotoryl(フォトリル)を作るワークショップを開催します。開催日時が確定すれば、HPで告知しますのでぜひご参加くださいませ。
また、弊社では、「もらって嬉しい」「飾っておきたい」美しく高級感のある『オリジナルアクリルトロフィー』を製造しております。遠慮なくお気軽にお問い合わせください。